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   台車など事故車両そのものを資本とする業種における休車損害の算定
通常交通事故における事故車両の損失の算定方法における代車料というのは、修理に必要な合理的期間に限定される。
これは、事故車両に乗車するという機会損失の利益は、車両の修理のために要する期間で評価されるのであって、また不法行為の被害者とは言え、損失を拡大させない信義則上の義務を負う以上、速やかに修繕しないで居る期間代車料を請求し続けられる訳ではない(現に修理に出さなければ代車も必要としない。
ところが、レンタカー会社であったり、本件の原告のように自動車整備会社であったりすると、「代車」というのは単なる「賃貸物」であり、特に本件のように経済的全損の場合の全損において、賃貸物の等価物の受領あるいはその賠償額をもって同程度の車両を手に入れるまで継続して「賃貸できない」という損害が発生することになる。
この間の損害を期間に対する代車料で計算したからといって、それは車両の修繕のための合理的な期間として、運用上請求がなされる「代車料」とは意味が異なるのである。
ところが保険会社の代理人(被告は加害者本人であるが、弁護士は保険会社の代理人である)が、上記の当たり前の理屈を真っ向から争い、代車料は2週間を超えることが出来ないなどと、本裁判で言い張るため、この裁判は解決を見るまでにあまりにも長期の歳月を要してしまった。
しかも、車両そのものについても、減価償却が終わっているのだから、簿価の10分の1だと言い張り、市場で同程度の車両を取得する費用にも満たない金額が車両の損害額だと言い張ってみたり、インターネットで検索し、事故地点から400kmも離れた場所にある中古自動車屋のつけている車両の値段を損害の根拠としてみたり、およそ裁判を長引かせるために何でも口実にするみたいな状況であった。
この間の弁護士費用だけで新車が買えてしまうという本末転倒の裁判結果であるが、結果として、当方の請求が全部(弁護士費用は、どうせ被告の保険会社も兼ねている某保険会社が負担するので、裁判上は弁護士費用については和解金の産出に含めていない分だけが和解における譲歩となっている)認められた内容となる。
理屈上は当たり前なのだが、実際に裁判において裁判所に証拠をもって説明できるかどうかは別の話。
今はむしろこんなことさえ当たり前に出来ない弁護士の方が多いのではないかな。特に広告で客を集めることにしか感心のない弁護士は、裁判に時間が掛かるのを嫌がり、損害を自分の依頼者に押し付けて、自分の費用さえ取れればよいといった感じか。
保険会社に徹底して争われても、理屈が正しい以上、その正しさを証明すると同時に、賃貸物の損壊と賃料の産出に「代車料」を用いた点に特異性があるので、判例として紹介する。








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